「フルタイムの正社員以外の働き方も考えたい」「家庭やライフイベントに合わせて勤務時間を選びたい」。そんな薬剤師さんの選択肢のひとつが派遣という働き方です。この記事では、派遣薬剤師の仕組みとメリット、事前に知っておきたい注意点を整理します。
派遣薬剤師の仕組み
派遣では、雇用契約を結ぶ相手は勤務先(薬局など)ではなく派遣会社です。給与の支払いも派遣会社から行われ、勤務先の指示のもとで業務を行います。正社員・パートとの一番の違いは、この「雇用主と勤務先が別」という点です。
なお、労働者派遣法により、病院・診療所などの医療機関への派遣は原則として認められていません(紹介予定派遣や産休・育休の代替要員など一部例外があります)。薬剤師派遣の勤務先は、主に調剤薬局やドラッグストア、企業になります。
派遣で働くメリット
1. 時給水準が比較的高い傾向
派遣薬剤師の時給は、同じ職場のパートと比べて高めに設定されている場合が多いといわれます。地域や時期、経験によって差があるため、具体的な水準は派遣会社の求人情報で確認しましょう。
2. 勤務時間・期間を選びやすい
「週3日だけ」「16時まで」「半年間だけ」など、契約で勤務条件を決められるのが派遣の特徴です。子育てや介護、勉強との両立、転居までのつなぎなど、期間や時間に制約がある方に向いています。
3. 職場の人間関係と距離を取りやすい
契約範囲の業務に集中でき、職場の管理業務やシフト調整の負担が少ない傾向にあります。合わない職場だった場合も、契約期間の区切りで勤務先を変えるという選択がしやすい働き方です。
4. 複数の職場を経験できる
さまざまな薬局の設備・処方傾向・オペレーションに触れられるため、経験の幅を広げたい方にもメリットがあります。
事前に知っておきたい注意点
1. 雇用の安定性は正社員と異なる
派遣は契約期間が定められた働き方です。契約更新がされない可能性や、希望条件に合う次の派遣先がすぐに見つからない期間が生じる可能性は理解しておきましょう。同一の組織単位で働ける期間には、労働者派遣法上の上限(いわゆる3年ルール)もあります。
2. 賞与・退職金は基本的にない
時給は高めでも、賞与や退職金は基本的にありません。年収ベースで比較する際は、月収だけでなく年間の総額で考えることが大切です。
3. 社会保険・有給休暇は派遣会社側の制度による
社会保険の加入や有給休暇は、雇用主である派遣会社の制度と勤務条件によって決まります。登録時に加入条件を確認しておきましょう。
4. キャリア形成の方向性を考えておく
管理薬剤師やかかりつけ薬剤師としての経験は、腰を据えて働く雇用形態のほうが積みやすい面があります。「いつまで派遣で働くか」「その後どうしたいか」をゆるやかにでも考えておくと、派遣という選択をより活かせます。
派遣が向いているのはこんな方
- 勤務時間や期間に譲れない制約がある方
- 転居・育児などライフイベントの合間に柔軟に働きたい方
- いろいろな職場を経験してから腰を据える場所を決めたい方
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